水田の魚・メダカ

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メダカは古くから、水田を生活の場として利用してきました。春になって水田に水がはられると、メダカが入り込んできて産卵をします。水温が高く、ミジンコなどメダカの餌になる微小生物が大量に発生する水田は、子育てをする場所としてうってつけだからです。しかし最近では、水田に水を入れるにはポンプが使われるなどして、周囲の用水路や小川にいるメダカが水田に入りこみにくくなり、水田でメダカが泳ぐ姿はあまり見られなくなってしまいました。

メダカは農繁期であれば水田にも進出し、生活圏を広げます。最近は水田の中にメダカがいることは少なくなりましたが、水田は広大な面積があり、光がよく届くことから小川や用水路よりも一次生産(植物によってつくられる有機物の量)が高く、それに伴いミジンコやケンミジンコなどの動物プランクトンやイトミミズのような底
棲生物などが著しく繁殖する場所なのです。そのため、このような場所では稚魚の餌となる生物が大量に発生することから、魚の稚魚の良い育成場となっていました。

一方で、水田にはメダカの天敵となる生物が多く生息していることも事実です。メダカは小さいために、海のイワシのように他の魚のよい餌になっていると考えられがちですが、実際には河川や池でメダカを襲って捕食する魚は意外と少ないのです。

例えば、ナマズのような大型の肉食魚類にとってメダカは小さすぎます。ブルーギルのような外来魚は別ですが、在来種の中で肉食性の魚類であるカジカやハゼの伸間は、水田周辺にはあまり生息していません。メダカにとって最大の天敵は、他の魚よりも、タガメ.ゲンゴロウ、ヤゴなどの昆虫類でしょう、もっともタガメのような大型水棲昆虫は逆に近年では見つけることが困難になっており、自然界でよく見ることができるのはヤゴぐらいです。

このような昆虫類は、水田やその周辺に分布していることから、春から夏に水田にまで入り生活圏を広げたメダカは格好の餌生物となってしまいます。しかし、これらの生物がたくさん生息していても、メダカは数が減らないほど繁殖力が旺盛な魚でもあるのです。本来、自然界ではこのように「食う食われる」の関係によって様々な生物が生活していますが、現在では人間の生活によってそのバランスが崩れてしまい、昔は普通に見られた生物がいなくなってしまいました。

また、水田そのものの構造が昔とは変わり、畔がしっかりでき、水路と水田との落差が大きくなったり、水出への水の導入が塩ビ管になったりすることによって、生物が水路と水田を自由に行き来することができなくなっている場所も多く見られるようになりました。

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