メダカの分布と環境

めだかの飼い方 >> メダカについて >> メダカの分布と環境

野生のメダカ

本来メダカは灰色の体をしていますが、ベットショップなどでは品種改良された黄色のヒメダカが販売されていることから、これがメダカと思っている子どもも少なくないようです。メダカは一部の離島を除く日本各地にわたって分布しています。当初生息していなかった北海道では勝手に放流されたものが定着してしまい、都会ではメダカの住める場所が少なくなり、ほとんどその姿を見ることができなくなっています。

野生メダカの分布

野生のメダカは大きくふたつのグループにわけられます。まず、青森から京都にかけての日本海側に生息する「北日本系統群」と、それ以外の場所にいる「南日本系統群」です。また、それぞれの系統群の中でも、産地によっていろいろと異なった体型や体質をもっていることが知られています。この違いは、それぞれが周囲の環境に合わせ、長い時間をかけて獲得してきた特徴とも言えます。他の場所で捕まえたりお店で買ったメダカを自然に放すことは、これらの特徴を失わせることにもつながるので、絶対に避けるべきなのです。

海でも生きられるメダカ

メダカは川の魚と思っている人がほとんどでしょう。ところが、メダカは海水でも平気な体を持っており、実際に海で泳いでいる姿を見かけることがあります。
なぜこんなことが可能なのでしょう?
まず川の魚と海の魚では、周囲の塩分に対する機能が異なります。川の魚は、周囲の水よりも体内の塩分濃度が高いため、水分が体にどんどん入ってきてしまいます。その水から塩分を吸収し、残った水分を大量の尿として排出することで、体液の濃度を保っています。

反対に海の魚は水分がどんどん奪われるため、常に海水を飲み込んで、エラや腎臓から塩分だけを排出して水分を補給し、濃い少量の尿を出しています。

メダカは、この両方の機能を持っているため、川でも海でも暮らすことができるのです。このような能力は、メダカの他にもサケやアユなど、海と川を行き来する漁たちが備えています。

飼育しているメダカも、1ヵ月くらいかけて徐々に塩分を高くしていくと、海水で飼うことができるようになり、産卵まですることもあります。

メダカが暮らす環境

メダカはどのような場所で生活していたのでしょうか?
実は、メダカは水田稲作とともに生息地を広げたといっても過言ではないほど、水田と関わりの深い生き物です。メダカがよく見られるのは、水田脇の用水路や小川、ため池などです。大きな河川でも比較的流れのゆるやかな場所では姿を見ることができますが、多くの場合は水田の周辺です。そのためメダカの学名であるOryzias
latipesは、イネの属名であるOryzaにちなんだものとなっています。つまり、メダカはゲンジポタルのような水棲ホタルと同様、人間が農耕することによって良好な生息環境が維持されてきた生物のひとつと考えられるのです。稲作が行なわれている地域では、水田脇の用水路、それにつながる細流や小川、ため池などが主な生息地となります。

このような場所でもメダカが生活圏としているのは、比較的浅いところが多いのです。池のような場所では、池の中央に集まることはあまりなく、周囲の浅い場所に群れているのが多く見られます。人影を見るとすぐに沖へと逃げてしまいますが、静かにしていると戻ってきます。ほかにもメダカは湿地で見ることができますが、この場合ごく浅い場所に生えた植物の間で暮らしています。

メダカは生物多様性のバロメーター

メダカは動物プランクトンや落下昆虫、他の魚類の仔稚魚、底棲生物などの動物質や、植物プランクトン、藻類、浮き草の根などの植物質といった様々なものを食べています。
メダカが安定して生活している場所では、水草が繁茂したり、水際の陸上植物が川面に垂れ下がっているのがよく見られますこのような障害物は、外敵となる生物から身を隠すだけでなく、メダカが産卵する場所にもなります。また、水中に障害物がたくさんあることで構造が複雑になるため、そこに様々な底棲生物が生活するようになり、メダカの餌が増えることにもつながります。それだけでなく、河床や側面が複雑だと、水の流れが複雑になって場所によって速くなったり、遅くなったりします。

このような多様性のある環境であれば、流れのゆるやかな場所を好む生物、速いところを好む生物など様々な種が同じ水路で生活することが可能となります。また、陸上植物が川面に垂れ下がるような場所ではさらに流れに多様性ができるだけでなく、陸上の小さな毘虫類が川面に落ちやすくなり、これもメダカにとってはよい餌となります。
多くの場合、このような場所は水田の用水路やそれに続く小川なのです。

ページトップへ